木造アパートのリノベーションは、空室対策や賃料アップにつながる大きな魅力があります。しかし、その費用や具体的な手順については、疑問を抱いているのではないでしょうか。
そこでこの記事では、木造アパートのリノベーションにかかる費用の相場を詳しく解説します。アパートの規模や築年数、改修箇所により異なる費用を把握することで、リノベーション計画を立てる際の参考になるでしょう。
さらに、空室対策にもなるリノベーションを成功させるためのポイントも紹介します。内装の改修だけでなく、設備の更新や耐震補強など、リノベーションには様々な要素が含まれます。これらを理解し、適切な計画を立てることが重要です。
特に、築年数が25年を超えた建物は総合的にリノベーションをする事をお勧めします。理由としては経年劣化で室内や建物全体が痛んでくるからです。特に水回り(キッチン、トイレ、洗面)の設備系は清潔感が大切です。ハウスクリーニングで多少きれいになりますが、設備の古さは変わりませんので新しい物へ交換するのがいいでしょう。
参考にしていただければと思います。
【目次】
木造アパートリノベーションの基本知識
木造アパートのオーナーでリノベーションをお考えでしたら、その基本知識を理解することがまず第一歩となります。このセクションでは、リノベーションの意味から、木造アパートリノベーションに関するメリットとデメリットまで、詳しく解説します。
リノベーションとは何か?リフォームとの違いについて
リフォームは、老朽化した建築物を新築に近い状態に戻すことを指し、リノベーションは既存の建築物に工事を加え、既存のものよりも価値を高めることを指します。端的に申し上げると、リノベーションは古くなった建物をキレイに住みやすい状態に工事だとご理解ください。
特に木造アパートのリノベーションは、物件の価値を高め、入居者を獲得するための重要な手段となっています。しかし、リノベーションは単に建物を美しくするだけではなく、費用相場や工事内容にも注意が必要です。
リノベーションのメリットとデメリット
リノベーションには多くのメリットがあります。まず、物件の価値を高めることができます。これは、特に賃貸物件の場合、入居率を上げるために重要です。また、リノベーションにより、物件の寿命を延ばすことも可能です。さらに、リノベーションは、物件の機能性を向上させ、住みやすさを改善することも可能です。
一方、デメリットとしては、リノベーションには相応の費用が必要となります。また、リノベーションのプロセスは時間と労力を必要とします。そして、リノベーション後の物件価値が予想通りに上がらないリスクもあります。
まとめますと、メリットは建物の内装や外装がキレイになったり、使い勝手が良くなったり、新築に近い状態になる事。デメリットはリノベーション工事に費用が掛かる事。となります。
木造アパートリノベーションの費用相場
ここまでは、木造アパートリノベーションのメリットとデメリットについて解説してまいりましたが、ここでは、リノベーションの費用相場について詳しく説明します。
リノベーションは費用がかかりますので概算を把握し、予算計画を立てるのにお役立てください。
リノベーション費用の決定要素
リノベーション費用は、様々な要素によって決定されます。その中でも特に重要なのは、リノベーションの範囲と規模、使用する材料の種類と品質、そして施工業者の選択です。例えば、
内装のリフォーム費用の相場としては、
- 天井のクロス張り替えは約1500円〜約2000円/㎡
- フローリングの張り替えは約2.5万円〜約4.5万円/㎡
- 壁紙・クロスの張り替えは約1000円〜約1500円/㎡となります。
また、水回りのリフォーム費用の相場としては、
- ミニキッチンの施工費用は約30万円〜約80万円
- トイレ本体の交換費用は約7万円〜約25万円
- 浴室の交換費用は約60万円〜約200万円となります。
これらの費用はあくまで一例であり、具体的な費用はリノベーションの内容や業者によって大きく変動します。
費用の変動要素は主に築年数や規模
築年数や規模もリノベーション費用に大きな影響を与えます。一般的に、建築年数が古いと建物の各部分が経年等で傷んできますので、古い建物やお部屋のリノベーションはどうしても費用が掛かる傾向となります。
また、建物の規模や状態によってリノベーション利用は大幅に変わりますので、個々の建物によって費用が変わってきます。建物の規模が大きいほど、必要な材料の量や工事の範囲も増えるため、費用も増加します。
リノベーションの具体的な手順と期間
このセクションでは、木造アパートリノベーションの一般的な工程から工事期間の目安とその要因まで、リノベーションに必要な情報を詳しく解説します。リノベーションの全体像を把握し、計画を立てる際の参考にしていただければと思います。
リノベーションの一般的な5つの工程
木造建築物のリノベーション工事は大まかに以下5つの工程で進みます。
- リノベーション工事を行いたい場所の解体工事
- 電気工事、設備工事
- 内装工事
- 仕上げ工事
- ハウスクリーニング清掃
おおむねこのような順序で工事は進みます。実際に見積もりを取る時は、こうした工程についても確認をし、既存の入居者への迷惑がかからないようにすることも考慮するのが良いです。
工事期間の目安とその要因
工事の内容によって工事期間は決まります。例えば浴室リノベーション工事なら5日間。キッチン交換3日間。6畳の床のリノベーション工事なら2日間等を目安にしてください。
ただし、予期せぬ問題が発生した場合や、設計変更があった場合には、工事期間が延びる可能性もあります。これらの要因を考慮に入れ、余裕をもったスケジュールを立てることが重要です。
また、工事の規模によって大幅に期間は変わってきます。全体的なリノベーションとなると、建物の設備確認なども必要になってきます。工事の内容や壊した状況によって工事期間が異なりますのでご注意ください。
リノベーション成功のためのポイント
このセクションでは、内装改修から設備更新、さらには耐震補強まで、リノベーションにおける重要な考慮点を詳しく解説します。リノベーションの計画を立てる際の参考になるだけでなく、リノベーションの成功にどうすれば繋げられるのか。参考にしていただければと思います。
内装改修と設備更新について
アパートのリノベーションでは、内装改修から設備更新まで、様々な要素を考慮する必要があります。まず、内装改修では、天井や床、壁のクロス張り替えやフローリングの張り替えなどが主な作業となります。これらの費用は、選ぶ素材や工法、面積などにより大きく異なります。
また、設備更新では、キッチンやトイレ、浴室などの水回りのリフォームが主となります。これらの費用も、選ぶ設備のグレードやサイズにより異なります。更にいうと、古い木造の場合は和室仕様の内装が多いので洋室へ変更したり、特に設備は、和式トイレを洋式へ変更する工事等があると思います。
通常の洋室のリフォーム工事と工事内容が違いますので工事費用も変わりますが、木造だから高額とか木造だから安いと言う訳ではありませんが、これらの改修や更新を行う際には、リノベーション費用の回収プランを検討することも重要です。
リノベーションを行うことによってどれくらいの収益アップが見込めるかを考え、お金をかけるべきところと抑えるところをはっきりさせることで、効果的なリノベーションをすることができます。
※和室から洋室へのリノベーションに関して以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてお読みください。
➝和室から洋室へのリフォームと賃貸物件の空室対策に最適な方法を解説します
耐震補強も併せて考慮する事の重要性について
簡単にご説明しますと、昭和56年(1981年)以前の建物に関しては旧耐震ですので耐震検査を受ける事をお勧めします。設計事務所や建築会社でも耐震検査をしていますが、市町村でも行っている事がありますので、お住いの役所へご相談する事もいいかと思います。
こちらは私が住んでいます、八王子市の耐震サイトです。
近年、地震が多く発生しています。耐震工事は色々な工法もありますので、耐震検査をして結果を頂き、どの様な耐震工事がいいのかを業者とご相談ください
リノベーションによる空室対策と収益向上にむけて
リノベーションをする上で、空室対策と収益向上は絶対に考慮したい点だと思います。このセクションでは、リノベーションによる賃料アップの具体的な事例と、長期的な収益向上への寄与について詳しく解説します。
リノベーションによる賃料アップの実例
当社で行った木造築40年のリフォーム工事一部ですが、賃貸物件の重要な設備系キッチン交換工事です。お部屋が明るくなり業者からも入居予定者へ自信をもって紹介できるといわれました。この物件は駅から徒歩5分と条件が良かった事もあり賃料を30%上げましたが入居者は決まりました。
長期的な収益向上のために出来ること
リノベーションは、短期的な賃料アップだけでなく、長期的な収益向上にも寄与します。リノベーションによって物件の価値が上がると、入居率が上がり、空室リスクが減少します。また、リノベーションによって物件の寿命が延び、長期的に安定した収益を得ることが可能になります。
長期的に物件管理やリノベーション工事を考えますと、プロのアドバイスが絶対に必要だと思います。建物の10年後、20年後、30年後のリノベーション工事予定や費用を明確にすることで無駄な工事をすることなく物件維持が出来ると思います。親身になってご相談できる専門家はとても重要ですね。
リノベーションか建て替えかの判断基準
所有する木造アパートをどうすべきか、リノベーションか建て替えか、その判断基準について悩まれることもあるかと思います。このセクションでは、リノベーションと建て替えの違い、それぞれのメリットとデメリット、そしてどのような状況でどちらを選ぶべきかについて詳しく解説します。
アパートに最適な選択をするための知識と理解を深めていただければと思います
リノベーションと建て替えの違い
リノベーションと建て替え、これら二つの選択肢はどのように異なるのでしょうか。リノベーションは、既存の建物を改修し、新たな価値を生み出すことを目指します。一方、建て替えは、既存の建物を取り壊し、新たに建物を建設することを意味します。
リノベーションは、建物の構造を生かしつつ、内装を一新したり、間取りを変更したりすることで、新たな魅力を引き出します。一方、建て替えは、新たな建築技術やデザインを取り入れ、全く新しい建物を作り上げることが可能です。しかし、建て替えはコストが高く、時間もかかるため、建物の状態や予算、目指す目標によって選択が異なります。
リノベーションはあくまでも古い建物の壊して、新しくするのでどうしても新しくできない箇所も出てきます。特に基礎や土台などは工事が難しい箇所となります。また、大規模な工事ですと新築価格と変わらなくなるケースもあります。
あくまでもリノベーション工事ですので、ほんとうの意味では新築そっくりにはなりません。新築は古い建物を全て壊して新しくする工事ですので、耐震性能も優れていますし、設備も最新です。また自由な間取り(お部屋の配置)も出来ます。
判断のポイントと相談先の選び方
私はリフォーム工事業者ですが、築40年を超えた建物は壊して新築がいいと思います。基礎や土台、屋根、地盤改良工事すべて最新ですのでいいかと思います。しかし、色々なご事情もあるかと思います。新築はやはり高額な費用が掛かりますのでそこまでご予算がない場合はリフォーム工事をお選びください。
相談先ですが、地元で建築に詳しく、メリット・デメリットを正確に教えてくれる業者をお勧めします。建築士やリノベーション会社、不動産業者など、それぞれの専門家から意見を聞くことで、より深い視点から判断を下すことができます。
専門家選びの際は、その人の経験や実績、信頼性を確認し、自分のニーズに合った人を選ぶことが大切です。また、複数の専門家から意見を聞くことで、よりバランスの良い判断が可能になります。
リノベーション費用の賄い方と補助金制度について
木造アパートのリノベーションを計画する際、その費用はどのように賄うべきか、またどのような補助金制度が利用可能かは気になるところかと思います。このセクションでは、リノベーション費用を抑える方法と資金調達のアイデアを提供し、さらに利用可能な補助金制度をご紹介します。
費用を抑える方法と資金調達
リフォーム工事の費用を抑える方法は工事プランでしか実現できません。工事する職人さんの給料を半分にはできませんし、仕入れする物を極端に値引きさせる事も無理です。あなたの予算と希望をリフォーム工事でどの様に表現するのかが、業者の役割ですので、費用を抑える方法はいい業者選びも大切です。
資金の調達は、信用金庫や地銀などにご検討宜しくお願い致します。クレジット系の金融機関は金利が高い傾向だと思います。
利用可能な補助金制度の紹介
リノベーションには多くの費用がかかりますが、幸いなことに、国や地方自治体は様々な補助金制度を提供しています。これらの補助金は、リノベーション費用の一部を補助するもので、適用条件を満たすことができれば利用することができます。
例えば、エネルギー効率の高い設備を入やバリアフリー化など、特定のリノベーションを行う場合には、国の補助金制度が利用できます。また、地方自治体によっては、地域の活性化や空き家対策の一環として、リノベーションに対する補助金を提供している場所もあります。
補助金制度を利用することで、リノベーション費用を大幅に抑えることが可能です。ただし、補助金制度には申請期限や条件がありますので、事前に詳しく調べておくことが重要です。また、補助金の申請は手続きが複雑な場合が多いため、専門家に相談することもおすすめします。
木造アパートリノベーション費用に関してよくある質問と回答
Q1: 古いアパートをリノベーションする際の注意点は何ですか?
古いアパートのリノベーションには、いくつかの注意点があります。まず、建物の構造や耐震性を確認することが重要です。築年数が長い建物は、新築時の建築基準に準じていない可能性があります。そのため、リノベーション前に専門家による調査が必要となるでしょう。
また、古い建物特有の問題、例えば結露や湿気、断熱性の低さなどを解消するための対策も必要です。これらの問題を解決することで、快適な生活環境を実現し、入居率の向上にもつながります。
Q2: アパートの一部屋だけをリフォームする場合、どのような点を考慮すべきですか?
アパートの一部屋だけをリフォームする場合、その部屋の特性や目的に合わせたプランニングが必要です。例えば、寝室をリフォームする場合は、静寂性や暗闇を保つための対策が求められます。また、キッチンやバスルームのリフォームでは、機能性と使いやすさを重視することが大切です。
さらに、リフォームする部屋の広さや形状、既存の設備との兼ね合いも考慮に入れる必要があります。
Q3: アパートのリノベーションに補助金は利用できますか?
アパートのリノベーションには、国や地方自治体の補助金制度を利用することが可能です。例えば、エネルギー効率の向上やバリアフリー化など、特定のリノベーションを行う場合には、国の補助金制度が利用できます。
また、地方自治体によっては、地域の活性化や空き家対策の一環として、リノベーションに対する補助金を提供している場所もあります。ただし、補助金制度には申請期限や条件がありますので、事前に詳しく調べておくことが重要です。
まとめ
この記事では、「木造アパートリノベーション費用の相場と空室対策のポイント」について詳しく解説しました。
まず、リノベーションとは、既存の建物を改修し、新たな価値を生み出すことであり、そのメリットとして、建物の価値向上、空室率の低下、賃料の上昇などが挙げられます。しかし、デメリットとしては、初期費用が高くなることや、適切なプロジェクト管理が必要となることを理解することが重要です。
次に、木造アパートのリノベーション費用の相場については、リノベーションの規模や築年数、改修内容により大きく変動します。一般的には、1部屋あたりのリノベーション費用は数百万円程度と考えられますが、具体的な費用は専門家に相談することが最も確実です。
また、リノベーションの工程と期間については、プランニングから施工、完成までの一連の流れを理解することが重要です。工事期間は、リノベーションの規模や内容によりますが、一般的には数ヶ月から1年程度と考えられます。
リノベーション成功のためのポイントとしては、内装改修から設備更新までの考慮点や、耐震補強の重要性を理解することが挙げられます。特に、木造アパートの場合、耐震補強は必須となることが多いです。
最後に、リノベーションか建て替えかの判断基準については、建物の状態やリノベーションの目的、予算などを考慮に入れ、専門家と相談しながら決定することが重要です。
当社でも木造アパートのリノベーションを承っております。ご相談・お見積り無料ですのでお気兼ねなくご連絡ください。